僕は仕事柄たくさんの社長とお話をさせてもらいますが、ほとんどの社長に共通しているのは「客観的に見てセールス力が高い」ということ。
そのため「自分が営業に行けば契約できる自信がある」という方が多いのですが、その営業力の裏返しなのか、このようなことでジレンマを感じている人が少なからずいらっしゃいます。
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家族の反対が原因で失注している
お客さんの所に営業に行き、しっかりと話し込み、がっちりと相手の心は掴んだ。
「これはほぼ確実に契約になるだろうな」
そう思っていたのだけれど、自分ひとりでは決められないのか「一応家族にも相談してみますね」と言われ、即決にはできない。
何か嫌な予感がするなあ…と思いつつも、家族に相談しなければならないのであれば、その場ではどうしようもありません。
仕方なく「次回は是非ご家族も一緒に説明させてくださいね」と今できる精一杯のトークをして家に帰すのですが、その数日後には家族NGという理由でお断りをくらう…。
このような経験を何度もしている人ほど「家族全員で話を聞いてくれればいいのに」という気持ちを強く持っています。
影の意思決定者を説得する道具を用意しよう
建築業界の商品は単価が高いので、このような場面はあなたの会社でも日常茶飯時でしょう。そして、そのまま失注に繋がっていることも多いと思います。
ここで問題なのは、トーク力に自信のある方ほど、言葉の使い回しでこのような場面を打開しようとする傾向があること。
もちろんそれも悪いことではないのですが、「家族と相談してみます」という言葉が出る時点で、本当の意思決定者は目の前にいる相手ではありません。
ほとんどはその家族である場合が多いので、けっきょくは影の意思決定者が商談の場に現れないとどうしようもなくなります。
このような場面に備えて、うまくやっている会社では「影の意思決定者向けの資料」を用意しています。
この資料の目的は、影の意思決定者に「一度話を聞いてみたい」と思わせること。
営業力に自信がある方であれば、直接話すことができれば契約につながる可能性は高いです。ですから内容も興味付けに特化し、影の意思決定者を引っ張り出すことを意識した作りになっています。
営業の人員が多い会社にとっては必需品
この影の意思決定者に向けた資料は、営業マンや営業ウーマンを多く雇用している会社にとっては絶対な必需品です。
なぜなら、この資料は一度質の高いものを作成すれば、個人の実力に関係なく威力を発揮するから。
商談の数が多くなればなるほど影の意思決定者へのアプローチ数が増加し、そして失注する数を減らしてくれる。
そのレバレッジ効果は営業を1人育てるよりも遥かに高く、きっと、一度使えばあなたもやみつきになるでしょう(笑)。
大局的な視点で営業の現場を捉えよう
一般的に、セールスに自信のある人はこのような資料の力に目が向くことはあまりありません。それどころか興味を示さない、あるいは資料に頼ることをバカにしている人すらいます。
しかし、あなたのポジションが従業員であろうが経営者層であろうが、仕事の目的は会社の利益を伸ばすことであるはず。
であれば、資料1つでその後の契約数が増えるのであれば、それはとんでもなく素晴らしい仕事をしたことになります。
セールス力は大事な能力の1つですが、それが全てというわけでもありません。お客が契約にたどり着くまでにはたくさんのフェイズがあるので、その1つ1つの質を高めるほうが確実に売上も伸びていきます。
もしあなたの会社に影の意思決定者向けの資料がないのであれば、この機会に作成してみてはいかがでしょうか。
よほど下手なものを作らない限りは、その効果に驚くと思いますよ。