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広告の反応が悪いのは当たりまえ
最近は少し減ったようですが、建築業界では新聞折込チラシなど、広告をメインに集客をしている会社は珍しくありません。
新築住宅や商業建築を請け負う会社であれば、テレビCMをバンバン流す会社もあります。
単価が高いから多少の広告費がかかっても問題ないのでしょうが、それでも広告を流すのであれば、反応率が気になるのが社長という生き物ではないでしょうか。
マーケティング視点で考えるなら、CMは微妙?
広告をうっても、一発で大きな反響を得られることは稀です。ですから、賢い会社はABスプリットを用いて、「前回の広告は1%の反響があった。今回はこの部分を変えて、どちらが良いか試してみよう」と徐々に改善をしていきます。
こうすることで最初は1%の反響率でも、数回繰り返した後には3%、4%と上がっていくのです。当然その間のデータを保有しておけば、経験値もたまるので広告がうまくいく確率もどんどん上がっていきます。
今でも忘れませんが、私がコンサルタントで入った近畿地方の会社で、最初は「新聞折込なんて最悪だ!」と言っていた社長が、1年後に「新聞折込は最高だ!」と言い出し、思わず吹き出したこともありました。
このようにデータを取り続ければ広告の反応は上がっていくのですが、テレビCMだけは反応の改善がしづらい部分があります。
ウェブ広告であれば「どの広告から、どれだけの数の流入があった」ということが簡単にわかるのですが、CMの場合、仮にテレビを見て来客した人がいても、実際にそれがCMの効果で来店したお客かどうかはわかりません。
昔ながらの方法で、来店のきっかけのアンケートをとり「CMを見た」という人を測定するやり方もありますが、それも全員にアンケートをお願いできなければ、正確な数字とは言えないのが難点です。
広告のデータを確実にとる方法
もちろんテレビ側も、CMを売るために「CMの最後に“◯◯を検索”と入れて、専用のページをウェブに用意すれば正確に測定できます」といったアドバイスはしているでしょう。
ただ、それでもやっぱり、テレビCMは売るための広告というより、イメージ広告の部分が大きいと思います。
市場の認知度を高めるためにCMを打つのならいいですが、短期的な利益を求めてCMをうつのはオススメできません。
こういう事を言うと「新聞折込やポスティングも、効果を測定できないじゃないか」とおっしゃる方もいますが、こちらに関しては
・テレビCMと同じように「◯◯を検索」といれる
・問い合わせ先の電話番号を、普段使っているものとは違う番号で記載する
という方法で測定することができます。
また、地域別に違う広告を入れてABテストをする場合は、担当者名を別々に入れておいて、電話が鳴ったら「担当者名はなんと書いてありますか?」と聞くのも効果的です。
この方法であれば、かなりの精度で広告の効果を測定することができます。
ちなみにポスティングの場合、地域ごとに配布枚数を把握するのはかなり面倒なので、社員の協力が不可欠です。
以前にポスティングをメインに売上を確保している会社の社長とお話しましたが、その方は「これが生命線だから、やらなければクビにする」と話してくれました(笑)。
この社長と同じくらいの明確な意志があれば、おそらくポスティングオンリーでも上手く行くと思います。
数字をとる癖をつけよう
以前の記事でも書きましたが、業績のいい会社は、ほぼ例外なくマーケティングに関する数字を把握しています。
社長によっては、自分の生産性のみならず、社員の生産性を数値化して伝えている人もいるくらいです。
売上や経常などの帳簿上の数字だけでなく、あらゆる数字を把握するようにすれば、おのずと自社のウィークポイントにも気づくことができます。
広告の反応は0.1%単位であることが多いので、実際にやってみるとかなり地味で、しかも面倒です。
でも、だからと言って放置せず「これをやるから自力のある会社になれる」と思って取り組んでみて下さい。
1年後には、かなりの手応えを感じられるはずです。
P.S
僕はウェブ屋なので、1つのウェブ広告でABテストを数十回繰り返すこともあります。正直めっちゃ面倒ですが(笑)、それでも最後に利益のでる広告になれば、喜びもひとしおです(^^)