「人は感情で行動して、理屈でそれを正当化する」
ビジネスをしている人なら、この言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
僕も自分の生活を振り返ってみると、まさにこの言葉の通りの行動をしています。
僕は子どもの頃に「お風呂に入るときは洗面所の電気を消しなさい」と、数円の電気代を節約する術を教えられたのですが、大人になった今でもそれを実行し続けています。
だからお金にはシビアなのかと思いきや、これが仕事用の教材やセミナーとなると、数十万円、もしくはそれ以上でも意外にすんなり買ってしまう。。
誰か(主に税理士か妻)に購入を反対されたとしても、「いや、これは将来への投資だし…」「自分が成長すれば、お客に還元できるし…」「今必要な分野の教材だし…」と、自分を正当化し、相手を論破するための理由がわんさか出てきます(笑)。
数円の電気代をケチるくせに、このように商品が変われば買ってしまうのだから面白いものです。
人は論理的に商品を買うことはしない
普段よく買う日用品やパソコンなどは別として、車やリフォーム、家電などを論理的に判断して買う人は少数派です。
なぜなら、これらの商品は「お、これええやん」「カッコいいじゃん」「ハイテクじゃん」といった、感情を刺激されることで商品に興味を持ち、調べていくうちに理屈で正当化して購入する人が大半だから。
そういえば僕の実家を数年前に塗装した時にも、お隣から「お宅が綺麗にするから、うちも塗装せんといけん気になったが!」と笑いながら言われたことがありましたが、これも感情が刺激されたことでリフォーム工事を契約した良い例でしょう。
新築やリフォームにおいて、お客の感情を刺激する表現は少ない
うちの実家のお隣さんのように、リフォームの場合だと「近所がリフォームをしたから」とか「友人宅が綺麗になったのに、うちだけ汚いままなのは嫌」という、感情的な動機で購入に向かう人は多いです。
また、同級生がどんどん結婚してすると焦って婚活を始める人がいるのと同じく、新築に関しても「周りが家を建て始めたなぁ。そろそろウチも…」と考えている人も多いでしょう。
こういった人たちに対して「こんな素敵なお家がありますよ」と言うのもいいですが、『感情』にフォーカスするのであれば、「周りの友達が、なぜ今新築を建てるのか興味がありませんか?」と訴求した方が、どストライクの言葉を投げかけることができます。
これからのお客を狙ってみよう
世の中の新築やリフォームの広告の大半は、商品や会社のベネフィット、あるいは価格の安さを訴求する内容となっています。
この手の広告は今すぐ客に対しての訴求力はあるのですが、「そろそろ家が欲しいな…」とか「いつかはリフォームをしないとな…」とボヤッと考えている人を振り向かせるほどの効果はありません。
ですからたまに上記のような内容で伝えてあげると、まだ行動に移す前のお客の感情を刺激し、ガサッと反応を獲得できることがあります。
競合が全く目を向けていなければ、この手のお客は盲点となっている「忘れられたお客」です。あなたの会社が今すぐ客ばかりを狙っているのであれば、この手の訴求の仕方を考えるのもありだと思いませんか?
P.S
20代までは「誰かの結婚式に呼ばれたら、靴を買い換える」というのがお決まりのパターンだったのですが、30歳を過ぎてからは独身が少ないのか、それとも焦りがなくなったのか、呼ばれる回数がめっきり減りました。
ということで最近は靴を買えず。買い換えるべきなのは分かっていても、感情を刺激されないから、つい使い込むんよね…。