「お客をクビにすれば儲かる」
少し刺激的なタイトルですが、これはアメリカで最も高額なチャージ料金をとるコンサルタントである、ダン・ケネディがよく使う言葉です。
彼にコンサルを頼めば、その料金は最低でも1日で128万円。もちろん、広告の作成も同様に物凄く高額です。
そんな彼が「お客をクビにするほうが儲かる」と頻繁に言っているのですが、この効果は僕も実体験としてヒシヒシと感じています。
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こんなお客はクビにすべき
あなたも経験があるかもしれませんが、新築やリフォームで商談に行くと、お客によっては聞きかじった知識で様々な要求をしてきたり、無理な値下げ要求をしてくることがあると思います。
売上に余裕がないと無茶な要求でも応じてしまいがちですが、このようなお客の相手をするとストレスが貯まるし、数をこなしても儲からないケースが多いもの。
「こっちはプロなんやぞ!」
と思わず言いたくなる、そんなお客に出くわした場合は、容赦なくお客をクビにすれば良いとダン・ケネディは話しています。
彼が言うには「穴が空いた部分を埋めるかのように、別の良質なお客が流れ込んでくる」そうです。
これについては、僕も最初は半信半疑ながら何度も実践しましたが、今では100%正しい意見だと確信しています。
本当に、実行すればするほど、クビにしたお客以上に良質なお客が流れ込んでくるんです。
実際にはクビにしようとした時点でお客が焦って「いや、ちょっと待って!」と言ってくることもあるのですが、どちらにしても、これを実行すると必ず良い結果が手に入っています。
だけど言い方には注意が必要
「お客をクビにする」という言葉は、とても刺激的です。
なので中には勘違いをして「あんたは客じゃないから。サヨナラ」的な高圧的なニュアンスで発言してしまう人がいるのですが、当然これは論外のケース。
今は新築やリフォーム専門のネット掲示板もあるので、悪い噂は一生ネット上に残ってしまいます。
ただでさえ口コミの力は恐ろしいのに、ネット上にも発言が残る。
そんな最悪の事態になる可能性を無視して、上から目線の発言をするようでは、想像力が欠如していると言われても仕方ありません。
ハインリッヒの法則じゃないですが、悪い感情をもったお客が1人でもいれば、その裏には同じような経験を持っている人が数多くいるものです。
ですから「失注客であろうと、後腐れなく」と考えて、
「◯◯という理由で、残念ながら弊社ではお役に立てそうにありません。お時間をとらせるのも申し訳ないので他社さんに依頼されたほうが良いかと思うのですが、どう思われますか?」
くらいに丁寧にお断りをする必要があります。
お客がクビになる事例
建築業界でお客をクビにするケースは分かりやすいと思うので、他業界の事例も紹介したいと思います。
例えば、アドバイザーやコンサル業界。
この業界は「継続させたくて仕方がない」と思われがちな業界ですが、「もしこれをやったら、100%関係を切られる」と知られている有名なケースがあります。
「先人の知恵に対する冒涜」は許されない
この業界は、基本的に情報の質が重要になります。
ですから働く人は自分の専門分野に関する勉強をしっかりと行い、実践し、効果を把握しているのが当たり前です。
例えば広告やコピーライティングなら、
・ヘッダー
・ブレット
・ジョンソンボックス
・追伸
・スワイプ
などの使い方は、先人が体系立てて勉強できるようにしてくれています。そして、広告やコピーはめちゃくちゃ奥が深いものです。
ですが、HPやセールスレター、ランディングページならともかく、チラシ1枚程度なら「作ろうと思えば作れるじゃん」って誰でも思うもの。
だから社内でワイワイ意見をだして広告を作り、完成した広告に愛着を持つ。
さらに「あーでもない、こーでもない」と考えながら作っているので、自分たちの中で納得感も生まれる。
もちろん、自社でチラシを作成するのは素晴らしいことです。
ですが、この愛着や納得感が、先人の知恵を根拠にしたアドバイスに勝つケースがたまにあります。
そして、アドバイスを無視して発行してしまうんです。
これが続いた場合には、やんわりと、でも確実に関係を解消されます。
「プロとして許せるかどうか」を基準にすればいい
上記のケースは広告の知恵に対する冒涜でしたが、建築業界でも基準は同じでいいと僕は考えています。
・お客が自分で考えた間取りを押し通そうとする
・使う素材について、あれこれ口出しをする
・工法を指定する
・デザインを指定してくる
・明らかに無茶な値下げ要求
値下げ要求を除けば、これらをお客が自分で調べてくるのは素晴らしいことです。
ですが、いくら「あーでもない、こーでもない」と一生懸命に考えたところで、やっぱり相手は素人。
ですから「プロの目線で言うと、ここはこうした方が…」というアドバイスが山ほどでてきます。
そのときに納得して受け入れてくれるのか、自分が正しいと勘違いして突っぱねるのか。
そのあたりはプロとして「これは業界に対する冒涜だな」と判断できれば、遠慮なく関係を解消すれば良いと僕は思います。
そして関係を解消すれば、後から間違いなく、そのお客以上に良いお客が流れ込んできます。
初めて断るときには少しビビると思いますが、一度実践すると、きっとやみつきになると思いますよ。