「集客の状況を改善したい」という相談はよく受けますが、そのほとんどは集客の状況を改善したいのではなく、本当は「売上をもっと伸ばしたい」というものです。

意味としてはほとんど同じですし、施策も似たりよったりになることが多いのですが、実はさほど苦労しなくても売上を伸ばす方法があります。

この方法は建築系の会社は特に力を入れていないところが多い部分なので、説明しただけで驚かれる社長もわりと多いです。

お客が増えれば、売上は上がります。ですが、もしあなたが、売上を伸ばすために新規客ばかり追いかけているのであれば、今回の方法はかなり有力なものとなるでしょう。

 

新築の着工件数を見てみると…。

 

野村総研が大々的に調査をして一般に公開した資料があるのですが、新築の着工件数は2019年を境に減少に転じ、現在90万戸着工しているのが2025年には60万戸になるそうです。

約34%も着工件数が減るのですから、仮に今現在で年間100棟の住宅を建てているメーカーも、2025年には66棟しか受注することができない計算になります。

ということは、それに伴って当然リフォームの件数も減少することが予測されます。

しかも今の新築住宅は、昔と違って長持ちしますよね。

この間も某住宅メーカーのモデルハウスに話を聞きに行ったのですが、壁面なんか平気で「30年はもちますよ」と説明されました。

本当に全ての住宅が30年もつとしたら、塗装屋さんはかなり危機感を感じないといけないですね。

 

売上に貢献してくれるのは、新規客だけではない

 

売上をたてるのに重要な指標として、以下の3つがあります。それは

「客数」「客単価」「リピート率」です。

例えば今現在の見込み客が10人いて、全員が150万円の商品を買ったとします。このうちの半数の5人が、10年後に同じ150万円の商品を買ってくれるとしたら、5年間で売上は

10×150+5×150=2250万円

と、このようになりますね。

面白いのはここからで、多くの会社では売上を伸ばすために、なぜか「客数」を伸ばすことにばかり目を向けます。つまり、新規客ばかり追いかけているのです。

この例で言うと、今現在10人の見込み客を20人に増やすことに力を注いでいます。

もちろん、経営をするうえで新規客を増やすことは重要です。でも、先ほども言ったように売上を立てるのに重要な指標は他にも「客単価」と「リピート率」があります。

例えば上の例でも、客単価が200万円に上がれば、見込み客が一人も増えず、リピートがでなくても売り上げは3000万円です。

同じように、見込み客と客単価が変わらなかったとしても、10年後に全員が同じ150万円の商品を買ってくれたとしたら、それも売り上げは3000万円到達します。

つまり何が言いたいかというと、売上を伸ばしたいのであれば、何も一生懸命新規客を捕まえなくてもいいということです。

 

売り上げは掛け算で成り立っている

 

野村総研のレポートが示しているように、工務店やリフォーム店にとって、これからは市場の縮小と戦わなければいけない時代となります。

一般的に新規客を捕まえるのはコストと労力がかかるうえに、さらに市場の縮小が追い打ちをかけている状態です。

もちろん新規客を追わずに経営が成り立つ会社など、ほとんどないでしょう。

でも、リピート率やバックエンド商品の販売率などを改善して、売上を改善することはまだまだ可能なはずです。

僕が知っているだけでも、ほんの少しテコ入れしただけでも、大きく売上が伸びた事例はたくさんあります。

あなたの会社でも、この機会に戦略を見直してみてはいかがですか?