「優秀な人材が集まらない」「社員や外注先が思ったとおりに動いてくれない」「もう少し考えて動いてくれればいいのに」

指示したことを嫌々作業していたり、そんなんで契約をとれるのか?と不安になるくらい朝から覇気がなかったり…。

あなたが社長であれば、1つくらいは感じたことがあるのではないでしょうか。

実際にコンサル先で話を聞かせてもらっていても、これらに関する悩みやイライラの相談を受けることがよくあります。

 

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それ、言い続けて何年経ちました?

 

ここ何年も、建築業界はかなりのレベルで人手不足の状態が続いています。

その中で優秀な人材を確保しようとすれば、すでに知名度のある会社になっているか、よほど特徴のある取り組みなどで「この会社で働きたい!」と思わせる何かがないと、転職希望者に応募をしてもらうのは難しいでしょう。

社長にカリスマ性があれば、話をすれば入社を決めてくれる人もいるかもしれません。でも、その前にあなたの会社のことを知ってもらう仕組みがなければ、それすらも叶いません。

行動できない人を揶揄した「いつか、いつかは一生来ない」なんて言葉がありますが、同じように採用や人材育成においても、解決を望みながらも数年前と同じことをしているのであれば、きっと「いつか、いつかは一生来なかったなぁ」なんてことになるでしょう。

過去にとった行動の延長線上に今があるのですから、未来を変えるには、過去と違うことをしない限り状況が変わることはありません。

 

諦めて、他の手を打つのも一つの手。

 

僕が師匠の会社でカバン持ちとして働き、新事業の責任者として採用に携わった時に何度も何度も、何十回も強く言われ続けた言葉があります。

それは「誰がやっても上手くいく仕組みを作れ」ということ。

新事業ですから、当然実績なんかゼロ。そんな番外弱者の自分たちのところに優秀な人材が来る可能性は限りなく低い。だったら、中学生が職場体験でやってきたとしても、1ヶ月後には戦力となってビジネスが回るような仕組みを作れ…とよく言われました。

ある意味優秀な人材の採用を諦めたような発言ですが、当時は妙に納得したのを覚えています。

 

仕組みづくりのコツ

 

「誰がやっても上手くいく仕組みを作ろう」なんて言うと難しく感じるかもしれませんが、やることは至ってシンプルです。

それは「現在やっている仕事をマニュアル化するだけ。」

これをやるだけで、誰がやってもビジネスが回る仕組みを作ることができます。もちろん、やってみると非常に面倒な作業です。1日の流れから何から、全てをマニュアル化するのはかなり骨の折れる作業で、僕も当時はだいぶイライラしながら働いていました(笑)

ただ、マニュアルが出来てしまえば、入ってきた新人に教育をするのはとっても楽。「これを読んでおいて」「この動画を見ておいて」で全てが済みます。

しかも一生使えますから、何人入ってこようが、人が入れ替わろうがこちらの労力は同じです。これを体感したときに僕は「ああ、経営陣の仕事って、こうやってレバレッジを効かせることなんだなぁ」とつくづく思いました。

 

仕組みづくりで、もっとも力を入れるべきこと

 

誰でもできる仕組みづくりを進めていく中で、僕がもっとも力を入れるべきだと考えているポイントがあります。

それは「数値をきっちり記録してからマニュアルを作ること」です。

会社として用意するパンフレットや見積書、はては営業トークから紹介を求める仕組みまで、まずは自分で何パターンも用意してテストを行う。そして、それぞれの結果を数字として記録に残し、1番良かったものをマニュアルとして採用しました。

売上を伸ばしたいときには、掛け算の発想がとても大事です。もしテストをした結果、問い合わせ数と受注率がそれぞれ2倍になったとすれば、売上は4倍に増加します。

誰がやっても10の売上になるマニュアルと、誰がやっても40の売上になるマニュアル。

断言しますが、長い年月をかけて自社にもたらす利益の違いを考えれば、苦労してでも数字を記録して作ったほうが絶対にいいです。

 

FC化、もしくはバイアウトするつもりで作ろう

 

誰がやっても上手くいく仕組み。これが出来ると、経営は格段に楽になります。

とは言え、やってみると非常に大変な作業です。作業量は膨大になりますし、取り組む時間も長期に渡ります。どう記録をしたらいいのか、分からなくなってしまう場面もあるかもしれません。

そんな時には「いつかFC化して、1社ごとに300万で売るとしたら?」「いつか会社をバイアウトするとしたら?」という気持ちで取り組むと、どんなマニュアルを作る必要があるのか、その答えが見つかると思います。

経営者であれば、物事を判断する基準は「儲かりそうかどうか」です。そして、儲かりそうかどうかを調べるには「キャッシュを生む仕組みと、その根拠となる数字があるのか?」が必要になります。

絶対に集客に効果があるのに、やらないことTOP1でも数字の大切さについて書きましたが、自分が経営者なら、絶対に買いたくなる会社にしようと思うと、数字の記録が不可欠です。

そして、そんな気持ちで取り組んでいれば、おのずと誰がやっても上手くいく仕組みが出来上がっていきます。

優秀な人材の採用を狙うのもいいですが、同時にこのような仕組みを作ることに挑戦されてみてはいかがでしょうか。