僕が師匠から「独立したらこれを覚えておけ」と教えてもらった話の中に、採用する人材についてのものがあります。
それは「少人数のうちは、自分と同じタイプの人間は採用するな」というもの。
「自分と同じタイプの人間」とはどういう人かと言うと・・・
Contents
ビジネスで人は4つのタイプに分類される
有名なマーケッターである神田昌典さんの本にも書かれている話ですが、組織づくりは桃太郎の話に例えると分かりやすくなります。
桃太郎の登場人物は桃太郎、さる、きじ、犬の1人+3匹。
彼らは、組織の中では次のような役割を果たします。
桃太郎:起業家(軍人)
⇒いけいけドンドン系
犬:実務家(魔術師)
⇒コツコツ作業をするのが好き
さる:管理者(官僚)
⇒安定したレールの上を走りたい
きじ:統合者(恋人・道化師)
⇒まとめ役・調整役
僕の経験上、ほとんどの工務店やリフォーム会社の社長は桃太郎タイプです。いけいけドンドンで、新しいアイデアが湧きやすい人ばかり。ちなみに、僕もこのタイプです。
起業家タイプは、管理者タイプと折り合いが悪い傾向があります。たとえば工務店やリフォーム会社でよくあるのは、奥さんが管理者となっているケース。
「これを始めようと思う」と奥さんに話したら「ちょっと待ってよ、予算はどうするの?」とか「フザケないでよ!この間も新しいビジネスで失敗してたじゃない!!」とブレーキをかけられて辟易した…なんて話をよく聞きます(笑)。
でも。実はこれ、凄くバランスが良いんです。
なぜなら、社長が突っ走ろうとしてもうまい具合に奥さんが調整してくれるから、暴走することがない。
それどころか「言われてみればそうだな…」と冷静な判断ができるので、より正しい方向に向かって突っ走ることができます。
社内に同じタイプが多いと歯止めが効かなくなる
つまり、組織というのは、主義主張が違う、色んな人が集まっているほうが上手く回るんです。
採用の現場では社長が面接を担当することが多いので、つい波長の合う同じタイプの人を優先的に採用したくなります。
でも、仮に軍人タイプの社長が同じ軍人タイプの人間を採用すれば、それは高速で走る機関車に、さらに燃料を投下するようなもの。
行き先が正しくないまま暴走しても歯止めがかからないので、取り返しのつかない地点まで突っ走って、最後には消えてなくなります(笑)。
僕の師匠が「少人数のうちは、自分と同じタイプの人間は採用するな」と諭してくれたのも、きっとこのことを危惧していたのでしょう。
うまく回る工務店やリフォーム会社には様々なタイプの人間がいる
順調に伸びる工務店やリフォーム会社には、様々なタイプの人間がいることが多いです。
そのような会社では、とくに最初のうちは社長がアイディアを出し、それを実務家が実現しています。
そして成長していくと、今度は仕事を組織化・ルール化・ルーティン化する必要が出てきて、そこで管理者が登場し、力を発揮しているケースが大半です。
ターニングポイントは年商2~3億あたり
管理者タイプが力を発揮するタイミングは、リフォームなら2億前後、工務店なら2~3億前後が1つの目安となります。
そんな時に社長が「あれもしたい、これもしたい」と言いだすと、安定したレールを作りたい管理者は混乱します。
なので、もし、あなたの会社がこれと同じ状況にあるなら、こういう時期にはおとなしくしておいて下さい。
そして、もし、あなたの会社がこれから人を増やすのであれば、ぜひ自分とは違うタイプの人間を採用してください。
特に自分とは違う言語パターンの人材は、有力な社員候補です。
「言いたいことは分かるけど、なんでそんな考え方をするんだ?」と感じたら、その人はあなたにとって、有能な人材となる可能性を秘めています。
僕が初めて採用した事務と広告運用を担当する女性は、軍人タイプの僕とは真逆の官僚タイプでした。
今ではいい感じにブレーキをかけてくれる、ありがたい存在です。
あなたも面接を行う際にはぜひ「自分はどのタイプなのか?」と考えてから目の前の人物を観察してみてください。きっと、今までとは違う判断ができると思います。